21年度マンション管理士試験 本社解答と解説【問11~20】

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【問 11】 正 解 ①

①は誤りで、正解。 敷地共有者等によって選任された管理者がないときは、議決権の5分の1以上を有する敷地共有者等は、敷地共有者等集会を招集することができる。

②は正しい。 災害により区分所有建物の一部が滅失した後に、区分所有者が適切な手続によってその建物を取り壊した場合も、建物を建築する旨の再建決議をすることができる。

③は正しい。 敷地共有者等は被災マンション法の定めるところにより、集会を開き、及び管理者を置くことができるが、規約を定めることはできない。

④は正しい。 敷地共有者等集会においては、敷地共有者等の議決権の5分の4以上の多数で、再建決議をすることができる。したがって、再建決議に際しては、賛成する敷地共有者等の数が5分の4に足りなくても、決議をすることができる。

 

【問 12】 正 解 ②

①は誤り。 詐欺による意思表示は、取り消すことができる。この場合、詐欺によって意思表示をしたことについて過失があっても、取り消すことができる。

②は正しく、正解。 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。

③は誤り。 強迫による意思表示は、取り消すことができる。この場合、強迫によって意思表示をしたことについて過失があっても、取り消すことができる。

④は誤り。 相手方に対する意思表示について第三者が強迫を行った場合においては、相手方がその事実を知らず、かつ、知ることができなかったとき(善意無過失のとき)でも、その意思表示を取り消すことができる。

 

【問 13】 正 解 ②

①は正しい。 内容証明郵便による支払請求は、「催告」に該当し、催告があったときは、その時から6カ月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。そして、催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、時効の完成猶予の効力を有しない。

②は誤りで、正解。 催告に基づく時効の完成猶予期間を経過すれば、時効が完成するから、その後になされた「権利についての協議を行う旨の合意」により、時効の完成猶予の効力は生じない。

③は正しい。 破産手続終結の決定があったときは、確定判決と同一の効力を有するが、破産債権の届出をしただけでは、確定判決と同一の効力を有しない。

④は正しい。 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は10年とする。

 

【問 14】 正 解 ①

①は誤りで、正解。 不動産物権変動の対抗要件は登記であり、代金の支払や、物件の引渡は、無関係である。したがって、Bは登記を備えなければ、102号室の所有権を取得したことをCに対抗することができない。

②は正しい。 BもCも登記を備えていないときは、BとCは、互いに102号室の所有権を取得したことを対抗することができない。

③は正しい。 Cは、いわゆる背信的悪意者であり、背信的悪意者に対しては、登記を備えなくても、自分が権利を取得した旨を対抗することができる。

④は正しい。 Bは、Cよりも先に登記を備えれば、Cに対し、102号室の所有権を取得したことを対抗することができる。

 

【問 15】 正 解 ④

①は正しい。 平成29年改正民法の施行日(令和2年4月1日)前に債務者が遅滞の責任を負った場合における遅延損害金の法定利率は、従前の例による。したがって、Aは、年5%の割合による遅延損害金の支払義務を負う。

②は正しい。 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。

③は正しい。 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。

④は誤りで、正解。 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。したがって、遅延損害金の利率を年1%とする定めがある場合、Aは、年1%の割合による遅延損害金の支払義務を負う。「3%」ではない。

 

【問 16】 正 解 ②

①は正しい。 普通の保証の場合は、保証人は、まず主たる債務者に催告すべき旨を請求することができるが、Cは、連帯保証人なので、催告の抗弁権を有しない。

②は誤りで、正解。 保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。したがって、AB間で遅延損害金の定めがなくても、AC間において遅延損害金を定めることができる。

③は正しい。 主たる債務者が時効の利益を放棄したとしても、時効の利益の放棄は相対的効力しか有しないので(大判大5.12.25)、保証人は、主たる債務についての消滅時効を援用し、付従性により保証債務を免れることができる。

④は正しい。 連帯保証人に対する履行の請求は、債権者と主たる債務者が別段の意思表示をしない限り、主たる債務者に対して効力を生じない。

 

【問 17】 正 解 ④

①は正しい。 賃貸借が終了したとき、通常の使用収益によって生じた損耗にあたる損傷については、Bは、原状に復するよう請求することができない。

②は正しい。 賃借人は、その責めに帰することができない事由による損傷については、原状に復する義務を負わない。

③は正しい。 賃借人は、賃貸借が終了したときは、賃借物に附属させた物を収去する義務を負うのが原則である。ただし、賃借物から分離することができない物又は分離するのに過分の費用を要する物については、収去義務を負わない。

④は誤りで、正解。 賃借人が支出した費用の償還は、賃貸人が返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。したがって、Aは、404号室を返還した後でも、1年以内であれば必要費の償還を請求することができる。

 

【問 18】 正 解 ④

①は誤り。 2以上の建物が合体して一個の建物となった場合、合体の日から1月以内に、合体後の建物についての建物の表題登記及び合体前の建物についての建物の表題部の登記の抹消を申請しなければならない。「表題部の変更の登記」ではない。

②は誤り。 建物の区分の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。当該建物部分の所有権を新たに取得した者は、申請することができない。

③は誤り。 建物の分割の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。抵当権の登記名義人は、申請することができない。

④は正しく、正解。 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる建物の合併の登記はすることができない。

 

【問 19】 正 解 ④

①は正しい。 組合において、権利変換計画について総会の議決があったときは、組合は、当該議決があった日から2月以内に、当該議決に賛成しなかった組合員に対し、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。

②は正しい。 施行者は、権利変換期日後遅滞なく、施行再建マンションの敷地(保留敷地を含む。)につき、権利変換後の土地に関する権利について必要な登記を申請しなければならない。

③は正しい。 施行者である組合は、権利変換計画の認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得なければならない。

④は誤りで、正解。 権利変換計画に基づく補償金は、権利変換期日までに支払わなければならない。

 

【問 20】 正 解 ③

①は正しい。 都市計画区域については、都市計画に、当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を定める。

②は正しい。 地区計画等を都市計画に定めることができるのは、都市計画区域内に限られる。準都市計画区域内には定めることができない。

③は誤りで、正解。 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、公園及び下水道を定める。本肢では医療施設が誤り。

④は正しい。 促進区域は、市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において、主として関係権利者による市街地の計画的な整備又は開発を促進する必要があると認められる土地の区域について定める。

『住宅新報』2021年12月7日号「21年度マンション管理士試験 本社解答と解説 」より

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