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進む〝不動産DX〟 ~その2~

2021.6.2|業界の知識を深める

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不動産業界では今、新型コロナウイルスの影響を受けて電子契約やAI(人工知能)、業務支援システムなど、不動産にテクノロジーを用いる不動産テック、不動産DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用が急速に進んでいる。こうした技術の進展は、今後の業務効率化やコミュニケーションの手法において大きな進化を促す。今回、その動きのいくつかを追った。

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インサイドセールスを生かしたサービス

見込み客に対し、電話やメールでアプローチする内勤型営業「インサイドセールス」が注目されている。また、そのサポートを行うコミュニケーションツールなども開発され、活用が進んでいる。スマートフォンの普及による情報化社会の加速、新型コロナウイルスの影響による非対面需要が増える中、いかに顧客を長期追客できるかが売上改善の大きな焦点だ。そんな中、自動で物件提案が行える追客システム「プロポクラウド」を活用し、成果を挙げている不動産企業がある。東京東部の城東地区を中心に、不動産売買仲介や自社開発分譲を手がけるハウスプラザ綾瀬店の渡丸優生氏に、導入の経緯や得ている成果などを聞いた。


追客システム「プロポクラウド」

――「プロポクラウド」導入の背景を教えてください。

導入以前の追客は営業一人ひとりの裁量に任せる状態で、実はほとんど追いきれておらず、その改善に役立てたいというのが一番の理由でした。メールによる自動追客で物件を提案してくれる機能は、まさに私たちが抱える課題を解決してくれるものでした。

――導入から運用への流れはスムーズでしたか。

古い文化が良くも悪くも根付いている業界だと言われますが、当社はその中でもよりよく変化していこうという雰囲気のある会社です。そのため導入はとてもスムーズだったと思います。また、当社の様々な希望やわがままをハウスマート様に相談しながら機能の追加をお願いしたのですが、その対応の早さにも驚きました。特に助かったのは、学区域で物件を絞る機能の追加です。「子供をこの学校に通わせたいから」という理由で住まいを探すお客様が非常に多くいますが、他のサービスにはそのような機能はなく、特に重宝しています。

――運用はどのようにしていますか。

「プロポクラウド」にはメールのテンプレートが何種類かあり、当店では5種類を活用し、「資金面のご相談も受け付けています」「間取りもある程度に自由に変えられるセレクトオーダー型住宅もあります」など、お客様のニーズをできる限りくみ取り、機械的な自動送信感を与えない文面作りを心がけています。また、メールの開封有無などお客様の反応が確認できるので、手動で「プロポクラウド」からメールを送ることも多々あります。操作性も簡単で感覚的に使えるのも魅力です。


追客業務の効率化だけでなく、チームの雰囲気も変わった気がします

――「プロポクラウド」の効果をどう感じていますか。

送ったメールが開封されたかなど、お客様の反応が分かるだけでも電話連絡がしやすくなり、営業メンバーの精神的負荷が下がって効率よく業務ができるようになりました。この他、お客様の動きが〝見える化〟するので、今まで先入観で「きっとご購入されないだろう」と決めつけてしまっていたお客様の掘り起こしができるようになったのも大きなメリットです。導入前は、お客様に会員登録をして頂いても1カ月に1本もアポイントが取れないこともありましたが、メールの効果で、今では物件反響によらない集客のアポイント率が10%を超えるようになりました。

また、新型コロナ感染拡大の影響で積極的な営業活動ができない状況が続く中、できるだけ営業メンバーに負担をかけないよう、「プロポクラウド」上で、お客様の動きを基に「連絡してよさそうなお客様」と「そうでないお客様」を判断する指標を設けました。これにより、コロナ禍でも確度の高いアプローチができるようになりました。いい意味でメンバーの動きも可視化でき、マネジメントツールとしても有効だと感じています。

――今後「プロポクラウド」をどう役立てていきたいですか。

長期間の追客ができているケースは他社様でもなかなかないと思いますが、「絶対、短期間で家を買う」と決めているお客様はそれほど多くなく、「いいのがあったら買いたい」という方がほとんどだと思います。ですから、リアクションがないからと諦めてしまっては、本当の意味でお客様に貢献しているとは言えないと思います。自社の利益はもちろん大切ですが、そこだけを追求しない営業活動こそ大切ですし、そうした活動を一人でも多くの営業担当者が続けていくために、今後も「プロポクラウド」を有効に使っていきたいと思います。

2Q==

利益追求の営業でなく、お客様に「貢献」する営業を

株式会社ハウスプラザ 綾瀬店(おうちサロン)

渡丸優生(とまる・ゆき)氏

プロフィール:マーケティング部 事業推進課 課長。

入社5年目。業務部を経て現職。


検討の長期化における追客を自動物件提案で解決します

真鍋達哉氏(株式会社Housmartプロポクラウド事業責任者)

渡丸さんがおっしゃる通り、お客様の物件購入までの検討期間は長期化傾向となっており、「検討期間6カ月以上」は全体の75.8%となっています(当社調べ)。

どの会社様もこうしたお客様のフォローに手が回っていないのが実情で、今後は長期追客できるかが売上改善のカギとなります。「プロポクラウド」はこの課題を自動物件提案により解決します。追客業務の自動化で業務効率も改善されれば、提案の質が上がり、アポイント率はもちろん、成約率でも効果が期待できます。

『住宅新報』2021年5月25日号「不動産情報化特集」より)

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