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〝新しい日常〟の実現はまず始めにリフォームから ~その3~

2021.4.26|業務のプロになる

  • 新たな日常
  • 優遇制度
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グリーン住宅ポイント制度が新たな呼び水に

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、外出自粛やソーシャルディスタンスなどの感染予防対策に加えて、テレワークの導入とそれに伴う通勤頻度の減少と、生活環境も大きく変わった。それに伴い、暮らしや住まいに対する意識も変化。テレワークに対応したワークスペースや遮音性・快適性など、リフォームや住み替えにつながるニーズが生まれている。創設された新制度も活用し、まずはリフォームで〝新たな日常〟の実現を目指したい。(ライター 玉城麻子)

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平均費用は予算超える

注目したいのはリフォームの平均費用。リフォーム検討者全体の希望予算平均は265万円(前回調査時261万円)で、リフォーム実施者の検討時予算平均は279万円と全体と比べて高めの設定となっているが、実際のリフォーム費用は平均356万円と予算を上回っている。一方、実際の費用で、半数以上は「予算とほぼ同額だった」とし、「予算を上回った」とした割合は2割強と、実際にかかった費用が予算を上回った認識はやや薄いとの結果だった。

リフォーム費用が予算を上回った主な理由は、「予定よりリフォーム箇所が増えた」(49・0%)、「設備を当初よりグレードアップした」(45・4%)が上位を占め、戸建てでは前者、マンションでは後者の理由が多い。工事内容では、戸建てでは断熱性能の向上、マンションでは浴室の改良の割合が高く、それぞれの目的に応じてリフォーム内容がアップグレードしていることがうかがえる。


適切な情報提供がポイント

リフォーム実施者によるリフォームを実施した事業者に対する満足度は82・8%。事業者選定時の重視点別では、「要望に対する理解力」重視者は94・0%、「減税や補助制度を提案・説明してくれる」重視者は93・0%と、「担当者の対応・人柄」(88・3%)や「工事価格の透明さ・明朗さ」(86・9%)を上回ったことから、要望への対応力や十分な情報提供により、事業者への満足度が高まることが示唆されている。

満足していないと感じる主な理由では、「リフォーム工事の仕上がり具合が不満」が66・0%とトップだが、アフターケアの対応(34・4%)や工事費の内容の不明瞭さ(30・0%)も上位となっており、工事の質に加え対応力や工事費の明瞭さに不満が感じられると、リフォーム事業者への満足度自体も低下する可能性があると指摘する。

満足度の上位に上がった「減税や補助制度の提案・説明」は、顧客満足度を高める上で重要なポイントだ。リフォームに関する税制優遇措置は、耐震リフォームやバリアフリー、省エネ、長期優良化リフォームなどさまざまな制度があるが、リフォームに関する税制優遇措置で最も認知度が高いのは「所得税の住宅ローン減税」で、リフォーム実施者では46・5%、リフォーム検討者では71・4%(グラフ1)。リフォーム実施者でいずれの制度も知らない層は38・4%に上る。事業者への税制優遇措置に関する問い合わせ(全体の54・7%)の内容で、最も多いのは「(制度の)利用可否」(85・5%)ということから、「消費者の制度に対する関心への対応力が事業者側に求められている」と考えられるとしている。

また、リフォーム工事関連制度についても、「住宅金融支援機構の融資制度」は認知度が高い(検討者57・0%/実施者35・8%、グラフ2)が、リフォーム実施者でいずれの制度も知らない層は48・3%に及ぶ。検討段階から国土交通省や関連団体のホームページなどから積極的に情報を収集している若年層と比べて、中高年層は、事業者からの情報の利用率が高い(32・3%)ことから、税制優遇措置と同様に、事業者側から消費者への適切な情報提供と丁寧な説明が重要だといえるだろう。

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グラフ1 実施者・検討者の税制優遇制度の認知率

出所:一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームの消費者・事業者に関する実態調査」

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グラフ2 実施者・検討者のリフォーム工事関連制度の認知率

出所:一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームの消費者・事業者に関する実態調査」


『住宅新報』2021年3月9日号「建て替えリフォーム特集」より)

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