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人生100年時代、安心・安全・健康な暮らし実現へ加速 ~その2~

2021.4.26|業務のプロになる

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SDGs、ESG経営との関連で

「人生100年時代」に入ったといわれる現代の日本社会。教育や介護、働き方など様々な分野でその実現に向けた取り組みが進められつつあるが、住宅産業はそれを支える柱となるものではないだろうか。というのも、暮らしに直結するものであり、住まいが長く安心・安全で快適でなければ人々の健康な暮らしを担保できないからである。そして、このことはSDGsやESG経営の実現などといった課題とも強く関連する。この特集では住宅事業者の取り組みを紹介しながら、「人生100年時代」をキーワードに、住まいに関連する取り組みの方向性を探る。(住生活ジャーナリスト 田中直輝)

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ユニバーサルD強化、すべての人の負担軽減で

人生100年時代は、最近注目度が高まっているSDGsとも関連があり、住まいにとって対応が求められる。SDGsは高齢者や身体障害者などを含む、すべての人たちが負担を感じずに暮らせるような社会の実現を目指すものだからだ。住まいの分野でもその実現に向けた取り組みが様々なかたちで行われているが、非常に地味ながら重要なものにユニバーサルデザインがあり、その強化に乗り出している企業の一つに住友林業がある。

同社は2月12日、企業向けのユニバーサルマナー研修や障害者手帳のアプリケーションサービスなどを展開するミライロ(本社=大阪市)に出資した。これを契機にミライロと協業し、住宅設計や介護施設設計などでユニバーサルデザイン対応のノウハウ蓄積や、建築部材開発を進める。また、障害者手帳のアプリケーションサービス「ミライロID」を活用し、住まいに関連する各種手続きの簡略化など、障害者を取り巻く社会環境の改善を図るとしている。


災害への備え、既存住宅にも提案

住まいに災害への備えがあることも、人生100年時代には重要なことだ。仮に大災害に遭遇しても、住み慣れたわが家で生活を継続できれば人々は健康を維持しやすいからだ。そうした関連もあり、近年、より高度な災害対策が提案されているが、中でも重要性は災害への備えが不十分な既存住宅において高い。そこでリフォームなどによる取り組みを住宅事業者が進めているが、その事例としてミサワホームのソリューション「MISAWA―LCP」があり、同社は昨年1月にそれを既存住宅への提案にまで拡大している。

平常時、災害時、災害後の3つの状況に対応する総合的なリフォーム提案を行うのが特徴で、防災診断に基づき想定される被災危険度に応じ、「蓄電池」「LED照明」などの停電対策プランや、「飲料水貯水システム」「雨水タンク」などの断水対策プラン、「スマート防水ボード」「高土間」などの浸水対策プランなど10の対策プランを用意し、住み慣れた住宅のレジリエンスを一層強化する。

建物全体ではなく、特定の一室の耐震性や断熱性を向上させ、災害時の自立避難所として利用する「レジリエンスルーム」も提案する。浸水リスクの低い地域では出入りがしやすい1階を、浸水リスクの高い地域では1階の浸水も想定し2階以上に位置する建物の中で最も安全な一室を、災害時の自立避難所として利用できるようにする。