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コロナ禍における海外不動産投資事情 ~その2~

2021.4.26|業務のプロになる

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20年はコロナウイルス感染症が世界中に拡大し、多くの国でGDP成長率がマイナスとなった。世界的に経済が後退した中で、不動産投資はどのような可能性を持っているのか、コロナ禍における海外不動産投資について、各国のデータを用いて解説する。(ライター・秦 創平)

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アメリカ不動産投資の特徴

アメリカには海外投資家に対する法的な規制が特に存在しない。日本人はどの州でも居住用・商業用を問わず不動産を購入可能だ。法的なものを含め、リスクが少ないのが特徴と言える。また、アメリカは世界最大級の経済大国だ。USドルはアメリカ経済の情勢に応じて上下動するものの、暴落などの心配は少ない。そのほか、長年に渡って人口増加と経済成長を続けており、先進国の中では不動産価格の伸び代も多く残していると言えるだろう。

もし、デメリットを挙げるとすれば、物件価格の高さと利回りの低さだ。サンフランシスコ・ニューヨーク・ハワイなど一部の地域では、世界最高水準とも言えるほど不動産価格が高い。家賃収入を不動産価格で割り戻して計算する以上、不動産価格が高くなると投資利回りが低下するのは避けられない。

もちろん物件価格が手頃なエリアもあるが、アメリカ不動産投資は、多少利回りを下げてもリスクが低い投資をしたい人に向いていると言える。


フィリピンの不動産市場動向

最後に、代表的な新興国としてフィリピンの不動産市場についてコロナの影響を探る。フィリピンの不動産価格指数推移はグラフ5の通り。

日本やアメリカとは違い、フィリピンでは20年第2四半期に1度不動産価格が上がってから、第3四半期には1年前よりも少し低い水準まで下がっている。19年第3四半期の不動産価格指数は131・7だが、20年第3四半期の不動産価格指数は131・2だ。

実需の住宅価格が低いため、平均住宅価格が投資用物件に引っ張られやすい。そして、フィリピンの投資用住宅を購入するのは、中国や韓国を中心とした海外投資家だ。20年は世界中で海外渡航が禁止されたため、投資用マネーの流入が減ったものと推察される。


フィリピン不動産投資の特徴

フィリピン不動産投資が持つ最大のメリットは、不動産市場の大きな将来性だ。世界銀行の統計によると、フィリピンは18年時点ですでに人口1億人を超えた。また、人口密度も日本とあまり変わらない水準まで上昇してきている。人口が増えているエリアでは住宅需要も増加するため、フィリピンでは、空室率が低く物件の値上がり益を狙った不動産投資が可能だ。フィリピンの不動産は日本と比較するとまだまだ安い。

その一方で、急な不動産価格の変動に要注意だ。経済発展が目覚ましいが、まだ新興国の域を出ていない。フィリピンの経済は先進諸国の経済動向に流されやすい側面を持っている。

また、直接的な外資の流入量による影響も大きい。フィリピン経済は、海外からの投資マネーが入らなくなるとマイナスの影響を受けやすい。

フィリピン不動産投資は、多少のリスクを受け入れつつも効率の高い投資をしていきたい人に向いていると言える。