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最新テクノロジー活用で新たな環境の取り組みと改革を ~その3~

2021.4.26|業務のプロになる

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不動産投資市場に次なる変化

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、私達の生活は大きく変化した。世界の社会や経済も未曾有の事態で激動の最中にある。「適温相場」と言われた不動産投資市場を取り巻く内外の環境はコロナ禍によって一転し、今なお予断を許さない状態が続いている。そのような中にあって、不動産投資市場に今後どのような変化が見込まれるであろうか。本稿では、コロナ禍の激震の最中にある不動産投資市場について、20年の市場を振り返りつつ、その中で見えてきた新たな変化に焦点をあて、今後を見据える上での着眼点について考察していく。(一般財団法人日本不動産研究所 研究部兼国際部 次長 愼 明宏(不動産鑑定士))

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投資家の投資姿勢は反転回復

このように不動産取引市場が堅調であったのは、世界的に金融システムが大きな混乱に陥っていないことが主な要因と考えられる。

日銀を始め、世界主要国の中央銀行は金融システムの瓦解を防ぐべく、金融政策で世界経済を下支えしており、日本の不動産投資市場においても、こうした世界的な動きを背景に、機関投資家の投資姿勢は積極的な姿勢が維持されている。それは、当研究所が実施した機関投資家へのアンケート調査「不動産投資家調査」においても表れている(図表6)。同調査によれば、投資家の投資姿勢は、緊急事態宣言の最中に実施された20年4月調査においてこそ投資意欲が一時減退したが、新常態(ニューノーマル)が定着した20年10月調査においては反転回復し、回答者の9割超が、「今後1年間の不動産投資を積極的に行う」としている。これは、世界的に金融システムが信用不安の混乱に陥った「リーマンショック」とは異なった動きである。信用不安の激震に見舞われた「リーマンショック」から約10年の歳月を経て、不動産投資市場では、新型コロナという未曾有の事態の中にあっても、大きな混乱は起きておらず、安定した状態が依然保たれている。