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相続多発時代の相続税対策と土地活用の手法とは ~その4~

2021.4.26|業務のプロになる

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いわゆる団塊の世代が後期高齢者になり始める23年(令和5年)、いよいよ本格的な「相続多発」時代に突入しそうです。また、同時に人口が減少する中、22年(令和4年)には18歳成人となり、20年代の前半は今後の10年20年を見据えた様々な法や税などの制度改正が予想されています。新型コロナ禍により新しい生活様式が求められる中、世の中も多様化し、土地活用も変化が求められています。(㈱優益FPオフィス代表取締役・佐藤益弘)

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21年は特別な1年に 変化する国の土地&住宅政策

そのような現状の中、今年21年は今後の10年を占うエポックな1年になりそうです。

既に土地基本法が昨年20年3月31日に30年ぶりに改正され、土地政策が動き出しています。土地に対する管理責任が強化され、今後10年間で地積調査も全国6割程度まで進める計画になっています。

所有者不明土地問題の対策を盛り込んだ民法と不動産登記法の改正に向けた要綱を見ると、相続登記の義務化や条件付きで国有地化する制度の創設を柱とした関連法案を提出する予定です。具体的には、土地の所有者の死亡後、相続人が土地の取得を知った日から3年以内に相続登記を申請することを義務付け、正当な理由なく申請しない場合、10万円以下の過料を科す。また、登記名義人が転居した場合なども届け出を義務化し、怠れば5万円以下の過料を科すとしています。

一方、土地を国有地化する制度を創設し、権利関係に争いがないことや土壌汚染がないことなどを条件に、法務局が認めれば、10年分の土地管理費に相当する金額を納付することで、所有権を放棄することができるようにします。

手続きの負担を軽減するため、相続人の申し出だけで登記できるようにするほか、相続の際に不動産一覧を法務省が発行し、「相続忘れ」を防ぐような手立て裁判所が所有者不明土地の管理人を選び、所有者に代わって管理や売却を行うことも可能にします。

また、21年は5年に1度、住宅政策の基幹となる「住生活基本計画」の改定年です。新たな住生活基本計画(全国計画)の期間は21年~30年までの10年間で、働き方改革やコロナ禍を契機とした多様な住まい方・新しい住まい方への関心の高まり、DXの進展、自然災害の頻発・激甚化、子育て世帯の減少と高齢者世帯の増加、空き家の増加といった住生活を巡る現状と課題を踏まえ、「社会環境の変化」「居住者・コミュニティ」「住宅ストック・産業」の3つの視点から、8つの目標を設定し、施策が進められそうです。

「社会環境の変化」の視点からは「新たな日常、DXの推進等」と「安全な住宅・住宅地の形成等」を目標と定め、職住一体・近接、在宅学習の環境整備や、ハザードマップの整備・周知による水災害リスク情報の空白地帯の解消等の施策を展開。「居住者・コミュニティ」の視点からは「子供を産み育てやすい住まい」「高齢者が安心して暮らせるコミュニティ等」「セーフティネット機能の整備」を目標に、若年世帯・子育て世帯の職住一体近接やテレワーク等のニーズに適応した住宅取得の推進、高齢者の健康管理や遠隔地からの見守り等のサービスの普及を盛り込んだ。

「住宅ストック・産業」の視点では「住宅循環システムの構築等」「空き家の管理・除却・利活用」「住生活産業の発展」を目標に、安心R住宅制度や長期優良住宅制度の改善、長期優良住宅やZEHストックの拡充、管理不全空き家の除却等や特定空家等対策の強化、大工技能者等の担い手の確保・養成などに取り組まれる予定です。

そもそも相続対策の根幹は、遺産分割をスムーズに行うことです。ゼロから土地など取得し不動産投資を始める場合と、元々持っている土地を有効活用する場合とでは、目的も対応も異なってきます。

また、人生100年時代と言われ、個々人の持ち時間=準備できる時間も違ってきます。前述したように関わるスタンスからも個々人の良し悪しの判断が違ってきます。まず、保有資産の確認を行い、ライフプランなどで対応可能な時間軸を想定し、どのように遺産分割をするのかを決めてから、相続の手段として不動産投資に行うようにしましょう。

長期的な対応にならざるを得ないので、避けて通れない法律や税制改正、災害などのリスクに対処できるよう、信頼のおける情報ソースの確保とその実現のため信頼できる専門家にも関わってもらい、年に1回程度は定期的に現状と方針の確認を行いましょう。

『住宅新報』2021年2月23日号「資産運用ビジネス特集」より)

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