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「割安感」高まる中古戸建て住宅で郊外物件ニーズの高まり

2021.4.26|業界の知識を深める

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中古戸建て住宅市場

20年の首都圏中古戸建て住宅の成約棟数は1万3348棟で、過去最高水準となった。平均成約価格は3110万円で、前年よりやや低下し、15年に3000万円台に戻ってから連続上昇が続いたものの、19年からやや低下に転じている(図6)。

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【図6】首都圏中古戸建て住宅の成約件数および平均価格の推移


地域別で見ると、東京都は成約棟数が4046棟(前年比2・4%減少)で、19年の過去最高水準よりは低下したものの、依然として4000棟台を維持しており、平均成約価格は4516万円(前年比0・8%上昇)となっている。神奈川県では成約棟数が3780棟(同7・1%増加)、平均成約価格は3260万円(同0・2%上昇)、千葉県では成約棟数が2861棟(同2・9%増加)、平均成約価格が1902万円(同4・7%上昇)、埼玉県では成約棟数が2661棟(同3・0%増加)、平均成約価格が2057万円(同3・5%減少)であった。成約棟数は、東京都を除く3県で前年より増加し、平均成約価格は埼玉県を除き上昇した。

この10年間の中古戸建て住宅と中古マンションが平均成約価格を比べてみると、中古マンションが大幅に上昇しているのに対して、中古戸建て住宅は2900万円台から3100万円台の間で推移している。

中古戸建て住宅と中古マンションとの価格差が縮小してきており、16年には中古マンション価格(3048万円)が初めて中古戸建て住宅(3030万円)を上回った(図7)。20年の中古マンション価格(3599万円)と中古戸建住宅(3110万円)の差は489万円と更に拡大しており、中古戸建て住宅の割安感が増している。

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【図7】首都圏の中古マンションと戸建て住宅の動向


東京都における中古戸建住宅の成約棟数をみると、20年が19年の過去最高水準より減少した(表2)。15年から都内の平均成約価格は5000万円台に達したにもかかわらず、成約棟数の増加は続いたが、20年になって5年ぶりに減少に転じた。

在宅勤務が普及・拡大している中、自宅で過ごす時間が増えているため、スペースに余裕のある近郊の戸建住宅が注目され、東京都の成約棟数が減少した一方、神奈川県、千葉県、埼玉県の成約棟数が増加している。また、リクルート住まいカンパニーが20年に公表したいくつかの調査結果によると、住宅に求める選考基準として「駅距離重視派」のポイントが減少し、「広さ重視派」が大幅に伸びていることからも、通勤の利便性を犠牲にしても郊外の広い戸建て住宅を求める需要が増加しつつあることが分かる。