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堅調を維持する中古住宅市場 回顧と21年の展望 ~その1~

2021.4.26|業界の知識を深める

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20年の首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)中古住宅流通市場は全体的に堅調である。中古マンション市場において、東日本不動産流通機構に登録された物件の売買にかかる成約戸数は3万5825戸であり、19年の過去最高水準より減少したものの、依然として高い水準となっており、平均成約価格も高止まり傾向にある。また、中古戸建て住宅については、成約棟数は1万3348戸と過去高水準となり、平均成約価格も安定的に推移している。ここでは20年の市場を振り返ると共に、中古住宅流通市場の特徴についても言及しながら21年を展望する。(一般財団法人日本不動産研究所 曹雲珍)


東日本不動産流通機構の中古住宅の成約戸数に平均成約価格を乗じ、市場の規模を試算した(図1)をみると、07年に1兆円を超えてから拡大傾向が続いている。11年は東日本大震災の影響でやや縮小したが、12年から再び上昇に転じた。また、14年は13年の消費増税の駆け込み需要の反動で微減した。それ以降5年連続過去最高額を更新したが、20年には新型コロナウイルス感染症の影響で前年よりやや低下し、1兆7045億円となった。

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セグメント別でみると、中古マンション市場は19年の1兆3117億円より低下し、1兆2894億円となった。一方、中古戸建住宅市場は19年の4016億円よりやや増加し、4151億円となっている。


中古マンション市場の動向

20年の首都圏中古マンションの成約戸数は3万5825戸で、前年(3万8109戸)の最高記録より低下した(図2)。地域別の成約戸数をみると、東京都は1万8654戸(前年比6・80%減少)である。神奈川県は8767戸(同4・47%減少)、千葉県は4245戸(同7・44%減少)、埼玉県は4159戸(同9・95%減少)と、全ての地域の成約戸数が前年より減少した。

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日本不動産研究所が21年1月26日に公表した20年11月時点の「不動研住宅価格指数」(図3)によると、首都圏は95・20ポイントで5カ月連続上昇し、07年以降の最高値となった。地域別では、東京都は106・29ポイント(前年同期比5・45%上昇)で、最高値となった。神奈川県は86・37ポイント(同1・07%上昇)、千葉県は72・27ポイント(同1・25%上昇)、埼玉県では76・71ポイント(同3・51%上昇)となった。

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全体的に、13年に入ってから概ね上昇傾向が続いており、20年11月時点の指数は13年1月と比べると、首都圏は18・13、東京都は24・64、神奈川県は10・26、千葉県は7・03、埼玉県は11・55?増加し、東京都の増加幅が最も高かった。


中古の成約は新築の1.5倍

首都圏のマンション市場においては、(図4)の通り、13年から新築の販売戸数が減少傾向を示している一方で、中古の成約戸数は概ね増加傾向が続いている。16年は初めて中古マンションの成約戸数(3万7189戸)が新築(3万5772戸)を超え、その後も中古が新築を上回る状況が続いている。

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20年においても新築分譲マンションの見込み販売戸数は2万4400戸に対して、中古マンション成約戸数は3万5825戸と新築の約1・5倍になり、中古マンションの成約戸数が新築分譲マンションの供給戸数を上回る状況が定着しつつある。

『住宅新報』2021年2月9日号「不動産流通特集」より)

その2へ続く