記事

取り組む

コロナ禍の資格取得法 業界で注目される資格 ~その3~

2021.4.26|資格取得

  • 民間資格
記事イメージ

活躍する資格者たち 実務が変わる、不動産取引の可能性が広がる

「レッドタイム」設定で時間管理バッチリ

(執筆 資格コーディネーター高島徹治)

その2へ戻る

不動産仲介士®

特定非営利活動法人日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会 居住用不動産仲介のスペシャリスト

【業務内容】 居住用の不動産を購入する消費者にとっては、購入すべきタイミングや購入に向けてのスケジュールはどうすればいいのか、無理なく返済できる資金計画はどのように考えればいいのか、住宅ローンは何を選んだらいいのか、案内を受けるときには何に気をつけたらいいのか等、分からないことがたくさんある。一方、ご自身のお住まいを売却される方にとっては、いくらで売りだしたらいいのか、今売りだしていい時期か、販売期間はどれくらいかかるのか、売却したお金はいつ、どのタイミングで手元に入ってくるのか等、多くの疑問や不安がある中で不動産会社へ問い合わせをされる。

不動産は高額であり、一般の消費者にとっては何度も取引するものではないため、不安や疑問があって当然だ。そこで「不動産仲介士?」は、居住用不動産仲介のスペシャリストとして、そのようなお客様に対し、誠実に寄り添い、正しい知識を分かりやすく提供しながら、一つひとつの不安や疑問を解消しながら取引をすすめる役割を担う。

【活躍の場】 不動産会社の営業担当者にとって、1件の問い合わせ、1組のお客様との出会いは大変貴重だ。一方お客様にとっては、営業担当者との最初の段階で「分かってもらえない」「話を聞いてもらえない」「知りたいことを教えてくれない」という経験をすると、その担当者に任せたくないという心理が働き、お客様との関係は途切れてしまう。

営業担当者は問い合わせに対応する段階、接客の段階、物件案内の段階、価格査定の段階、条件交渉の段階、購入申込書や売渡承諾書をいただく段階など、それぞれの段階でお客様から観察され、評価をされている。

いずれの段階でも、お客様から「大切に扱ってもらった」「分かりやすかった」「安心できた」という合格点をいただいた営業担当者が「契約」というゴールにお客様と一緒にたどり着くことができる。

不動産仲介士®として、お客様に高い満足度を提供できることはもちろん、組織内においても生産性が高く、戦力として高い評価を得ることができるだろう。


相続診断士

一般社団法人相続診断協会 相続の知識と実務を学び〝相続診断〟できる資格

【業務内容】 相続診断士は相続の知識と実務を学び、相続診断ができる資格。相続に関する様々な問題を理解し、一般の方への啓もう活動を行う。多くの人は、遺産相続はいつか経験することなのに非常に難しく感じ、「誰に相談してよいか分からない」という問題を抱えている。

相続診断士はそのような漠然とした不安を抱える人に対し、ヒアリング(相続診断)を行い、生前から相続問題や思いを残す大切さを伝え、お客様と一緒に相続と家族の問題に向き合わせる役割を担う。相続についてトラブルが発生しそうな場合、事前に弁護士や司法書士、税理士、行政書士などの専門家と連携して相続の問題の芽を早めに摘み取り、〝相続を円滑に進める〟ことが求められる。相続は100人いれば100通りの形がある。相続診断士は100の悩みに対し、お客様に柔軟な姿勢で対応し、〝争族〟ではなく、家族皆が納得する〝笑顔相続〟に導くのが大きな役割だ。

【活躍の場】 誕生から10年を迎え、同資格の所有者は全国で4万1000人(20年12月現在)を超える。資格所有者は不動産事業者にとどまらず、金融・保険・建設など相続と関わりの深い業界が目立つ。一般的に、相続は富裕層の問題といった誤った認識が多く、相続の準備を怠り、問題が顕著化してから動き出すという傾向がみられる。実際、紛争件数の74%が相続資産5000万円以下のものだ(平成26年最高裁判所の司法統計年報)。

相続診断士は、相続と関連性が深い業界で広く活躍の場がある。資格を得ることで、金融業界では「生前贈与」を目的とした金融商品・融資の提案など。保険業界では「エンディングノート」の書き方指導などを通じた保険以外の情報提供。不動産業界では税制改正のお知らせから事前に顧客の相続相談に乗ることで不利益の回避。特に相続が発生した時には、必ずと言っていいほど不動産の問題が発生するので活動の幅は広がる。どの業界でも相続の知識を切り口に、顧客との〝信頼関係の構築〟から、〝相続の具体的な相談に乗る〟ことができる。相続診断士の資格は本業との〝相乗効果〟が見込める。


競売不動産取扱主任者®

一般社団法人不動産競売流通協会 新しいマーケットを担う競売不動産取扱主任者

【業務内容】 競売不動産取扱主任者®試験は、不動産競売に関する知識を身につけ、一般消費者にアドバイス及びサポートができる「不動産のプロ」を年々輩出している、今注目の資格だ。現在、宅建従業者のほか、担保評価や融資、債権回収等を担当する金融業従事者、投資家、士業、公務員、学生など、全国4700人以上の競売不動産取扱主任者?が資格登録し、活躍している。

同資格は、業務に役立つ実務的な知識と能力を習得できるため、自己のスキルアップとして取得し、競売だけでなく任意売却や債権回収のツールとして生かしている主任者も多い。また、法務大臣認証裁判外紛争解決機関「一般社団法人日本不動産仲裁機構」のADR調停人基礎資格の認定を受け、ADR調停人となった競売不動産取扱主任者?は、当該機構が実施する不動産競売に起因する紛争や占有者解除トラブル等のADR業務調停人として介入できるなど、社会的な信頼性がなお一層向上し、資格保有者の活躍の場を広げることができる。

【活躍の場】 同資格は不動産業に従事している者であれば、習得した競売不動産の知識を武器に競売ビジネスを行うなど、他者と差別化することができる。また、一般消費者に対して不動産のプロとして競売に関するアドバイス及びサポートを行うことも可能だ。一般消費者から競売不動産への注目が高まっている今こそ、競売不動産のプロとして業務を確立するチャンスである。例えば以下の場面だ。

・不動産業者が「競売不動産」も取り扱えることで、宅建業法や民事訴訟法等の法律に基づく全ての不動産の取り扱いが可能になり、業務の窓口を広げ、不動産のプロとして確立できる。異業種からはビジネスパートナーとして営業上も専門家としての認識のもと、活躍の場が広がるであろう。

・金融機関従事者は、債権回収部門、融資部門で直接役立つ法律を網羅している資格のため、実務に直結して活躍できる。

・ADR調停人競売不動産取扱主任者?は、競売分野でのADR調停人基礎資格として認定される。競売トラブルに関しては調停人として仲裁できるため活躍の場は広い。

『住宅新報』2021年1月26日号「キャリアに役立つ資格特集」より)

その4へ続く