記事

準備をする

先進技術で持続可能性訴求≪住まいと暮らし特集①≫

2022.7.5|業界の知識を深める

  • SDGs
  • 持続可能性
  • DX
記事イメージ

脱炭素化を目指す動きやレジリエンスの強化など、住宅に求められる役割が重くなるに伴い、「管理を買う」と言われるマンションのように、戸建て住宅にも〝建てて引き渡す〟ことにとどまらず、引き渡し後も入居者の生活に深く関わり、長くサポートするサービスの提供が付加されるようになってきた。持続可能性が訴求される中、戸建て分譲住宅開発では、コミュニティの醸成につながる仕掛けを施した街づくりが広がり始めている。一方で、注文住宅では、IoTなどを駆使し、ハードとソフトの両面から〝長く暮らし続けられる家〟を目指したサービスの開発に取り組む動きが、加速しつつあるようだ。(フリーライター小山田湊)


脱炭素化社会の空間提案

住宅以外への転用も視野に


大手住宅メーカー各社は、断熱性能などを向上させると共に太陽光発電などを活用し、再生可能エネルギーを創出することで、年間の一次エネルギー消費をゼロ以下に抑えることを目指したZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の普及をはじめ、省エネ性能やレジリエンス強化の訴求を進めるなど、蓄電池や電気自動車から給電できるといった、入居後の生活基盤に深く関わり、サポートする機能を搭載した商品の開発・供給を進めてきた。
コロナ禍に伴う在宅勤務の常態化など、家や暮らしへのニーズが高まる中、こうした動きは、今後も継続するだろう。更に、脱炭素化の動きが活発化する中、昨年末に可決された22年度予算案では、住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業が新設、省エネ対策の強化や木材利用の促進などに200億円が充てられた。居住期間にとどまらず、施工時点から廃棄時に至るまでのCO2排出量を可能な限り抑制しつつ再生可能エネルギーを創出することで、住宅建設時のCO2排出量も含めたライフサイクルを通じ、CO2の収支をマイナスにする、ZEHの環境性能を上回ったLCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅の認知も進みつつある。
ミサワホームは昨年6月、暮らしや健康、環境などのさまざまな社会課題の解決を目指したコンセプト住宅「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」を、東京都杉並区の住まいづくりの体感施設「ミサワパーク東京」に建設した。
2050年までのカーボンニュートラルの実現を念頭に、建設後28年でLCCMの達成を想定している同モデルは、水やエネルギーなどの生活インフラ確保や感染症対策のほか、再生可能エネルギーの自家消費や建物の長期利用、防災性能の向上などに取り組んだ。住宅以外の用途への転用といったフレキシブルな建物の活用ができる空間提案を盛り込むことで、将来的な空き家化の回避を目指すなど、社会課題の解決に取り組むことで、住宅の持続可能性を訴求している。