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【敷金診断士が解決】不動産の「賃貸」と契約に関するよくある質問

2022.6.3|業務のプロになる

  • 不動産資格の豆知識Q&A
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敷金診断士の実務に関するよくある質問


敷金診断士に関するよくある質問 敷金診断士の実務では以下の内容の質問がよくあります。

賃貸物件の解約や仲介手数料に関して、実例をもとにQ&A形式でまとめました。


解約についてのよくある質問

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Q:「契約期間中の途中解約を認めない」と特約があり解約できない。
契約終了までの家賃を支払わなければならないか?


A:
民法第618条が適用され「契約期間中の途中解約の特約」がある場合にのみ、途中解約が認められています。
つまり契約書に「途中解約条項」がなければ、途中解約そのものが認められません。
しかし、消費者契約法の「消費者の利益を一方的に害する条項は無効である」に該当すると考えられます。

「途中解約条項」がない場合でも、必ずしも契約期間終了までの家賃支払いを行う必要はありません。
契約期間を定めない契約(法定更新した契約も含みます)の場合には、民法第617条の規定により、通知後3ヵ月後に解約することができます。


契約終了前の明け渡しについてのよくある質問

Q:原状回復をしてから明け渡す必要があるので、契約終了日の1週間前には退去の申し入れは有効か?


A:
原状回復義務は、契約期間が終了しなければ発生しない義務です。
借主は契約期間中使用収益する権利を持っています。使用収益することができなくなりますので、使用収益することができない期間については家賃を支払う義務が免除されます。
つまり、契約期間に原状回復期間を含めるのは不当です。このような契約内容自体、不当な契約内容で公序良俗に反する規定で無効です。

また、消費者契約法によって「消費者の利益を一方的に害する条項」としても無効となります。仮に家主の主張に従って退去したとしても、その期間中の家賃は支払う必要はありません。

仲介手数料についてのよくある質問

Q:「仲介手数料は、家賃の半額プラス消費税」と聞いていた。
業者は「家賃の1か月分プラス消費税だ」と言って譲らない。
業者の言うとおりに従わざるを得ないのか?


A:
宅建業法および建設省告示では、居住用の建物の賃貸借契約の媒介を依頼した場合は、借主の事前の承諾がなければ家賃の半額プラス消費税です。
しかし不動産業界の慣習では、事前の承諾の有無に関係なく、家賃の1か月分プラス消費税というのが実態です。

業界の慣習に従うか、それとも、法律上の規定どおりの主張をして、業者とやりあうかは、本人次第ということになります。
法律上は、0.5か月分を上回る分は支払う必要はありませんが、「それでは契約できない」と言われれば、行政に訴えるなどして、一定の手間と時間をかけることになってしまうでしょう。
「絶対1か月分は必要」と言ってきたときにどうするのかは、本人の考え方次第でしょう。


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契約金の支払いについてのよくある質問

Q:契約金の残金支払いを入居日直前まで待ってほしいと言ったが断られた。


A:
売買契約などでは同時履行として、売買代金の支払いと不動産の移転登記手続きを同時に行いますが、賃貸借契約においても「同時履行の抗弁権」を主張できるかどうかがポイントです。
「同時履行の抗弁権」には、3つの要件を満たす必要があるとされています。

1つ目は、どちらも何らかの義務を負っている契約から生じた双方の債務が存在することです。賃貸借契約は、家主には借主に物件を引き渡す義務があり、借主には家主に契約金を支払う義務がありますので、これに該当します。
2つ目は、借主の立場からすると、家主の履行期「物件の引渡し日」はまだ来ていませんので、この点は要件を満たしていません。
3つ目が、相手方が自己の債務の履行等をせずに履行を請求してきたこと、賃貸借契約カギ渡し前ですから、履行期はきておらず用件は該当しません。

どうしても入居直前まで費用を用意できないのであれば、その説明をきちんと行う一方で、了解を得るというような方法を検討してみてはどうでしょうか?


契約の成立についてのよくある質問

Q:手付金支払い後に仲介業者から「家主の都合で入居できなくなった」
「手付金の倍返しを行って解約する」という連絡が入った。
現在、住んでいる物件の退去通知も行ったため、困るのだが、何とかならないか?


A:
手付金を支払っていたということは、家主が契約の承諾していたという前提がありますので、契約が成立していたということです。
その場合、家主がカギを渡すとか、借主が契約金の全額を支払っていた(契約の履行に着手していた)ということがなければ、解約手付けとして、家主は預かった手付金を返し、さらに同額を借主に支払う(手付金の倍返し)ことで、契約を解除することができます。
借主としては、他の物件を探すしかないのです。


日割り計算についてのよくある質問

Q:入居日が月の半ばだったのに、家賃は日割りではなく1か月分を請求されたが拒否できるか?


A:
法律上、「日割り計算しなさい」という義務はありません。従って、家賃の精算を月単位とするのか、それとも日割りで精算するのかという点は、契約書の内容に従うことになります。

契約期間が○月△日~○○月(△の前日)日というようになっている場合で、家賃の起算期間が、毎月△日~翌月(△の前日)日というようになっているなら、日割り計算されていなくても、実質上の損害が発生しない場合もありますし、入居時に日割り精算しない代わりに、退去時に日割り精算する家主もあります。

家主に確認すべきこととしては、月々の家賃の計算期間はどうなっているのかという点と、退去時に日割り精算するのかどうかという点です。
損害が大きいというような場合、家主の良識に訴えかけるようにしながら、交渉していくことになるでしょう。

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更新手数料についてのよくある質問

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Q:家主に支払う更新料以外に、管理会社から更新手数料の請求が来た。
契約書のどこにも記載がないので拒否したい。
業者は「更新手数料を支払わなければ更新しない」と言っている。
どうすればよいか?


A:
手数料は業務の依頼をした人が、依頼を受けた人に対して支払うべきものです。
契約の更新は、家主が自ら更新手続きを行うことをわずらわしいため、家主の代理人として管理会社に業務を委託することがあります。従って、家主は管理会社に契約更新の手数料を支払うことになります。

借主の立場から言えば、契約更新の手続きに関しては誰にも委託したわけでなく、本来、家主との間で行うべき作業を家主の代理人である管理会社と行っているわけですから、管理会社に更新手数料を支払う理由はありません。

家主から得る更新手数料以外に、本来支払うべき理由もないのに手数料を徴収するというのは、不当利得に当たりますので支払う必要もありません。
契約書に更新手数料が明記されている場合についても、ほとんどの場合特約としては認められないでしょう。


Q:大家への更新料とは別に、管理会社の更新手数料の請求があった。
重要事項説明書に記載されていると拒否はできないのか?


A:
更新手数料の支払い義務に関して、仲介業者で受けた重要事項説明書で記載されている場合にどうなるかということです。
重要事項説明書というのは、契約前に借主が契約するかどうかの重要な判断をするに当たって必要となる重要な判断ポイントを記載した文書で、宅地建物取引業法で定められたものです。

この重要事項説明書に記載されている意味ですが、それは、法律上記載が求められた「賃料以外に授受されるお金」として記載されているという意味しかありません。
それは、借主の利益のために記載されているだけであり、借主のお金の支払い義務を定めたものではないのです。

逆に言えば、重要事項説明書に記載されていることを盾として、更新手数料の支払いが義務づけられることはあり得ないのです。


Q:家主に支払う更新料以外に、管理会社から更新手数料の請求が来た。
契約書をみると「更新手数料が必要」という記載があった。
このような場合には、更新手数料を支払わなければならないのか?


A:
原則として、更新手数料は支払う必要はありません。
契約書の中に、「更新手数料が必要」と記載されている場合には、「通常、家主が支払うべき更新手数料を借主が代わりに負担することを認めた」支払い拒否をすることはできないように見えます。
常識的には支払う必要がない費用を「特約」として、借主に支払いをさせるようにするためには、判例では
①「特約の必要性があること」
②「借主が特約の意味を理解していること」
③「契約段階で特約を結ぶことについて承諾していること」
などの事情がなければならないとされているのです。

従って、契約書に更新手数料の記載がある」としても、特約として認められるような事情がなければ、 特約として認められないということになります。


このように賃貸の契約に関する問題は数多くあります。
敷金再生診断士の資格を取ることで不動産業界の仕事としても、自分自身の相続でも役立ちます。

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