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大規模災害が多発する今 求められる「レジリエンス」強化 ~その2~

2021.4.26|業界の知識を深める

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重大な社会課題、住まいへの対応急ぐ

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「ニューノーマル」への対応を含め、住宅産業には数多くの社会課題を解決することが求められている。その中でも重要度が高まっているのが、多発する大規模災害への備えで、近年は「レジリエンス」というかたちでの対応に注目が集まっている。そこで、この特集ではハウスメーカーの対応を紹介しながら、大規模災害への対応のあり方を考察する。(住生活ジャーナリスト 田中直輝)

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新築・既築にLCP提案各種アイテムなど充実

レジリエンス性の高い住まいの提供については、ハウスメーカー各社が取り組んでいるが、ミサワホームもその一つだ。同社では「MISAWA‐LCP(Life Continuity Performance)」という提案を用意している。具体的には以下のような視点からアイテムを導入する。

備えるデザイン=「ローリングストック収納」、「感震コンセント・感震ブレーカー」、「高排水設計のサイホン樋」、「蓄電機能付きダウンライト」

守るデザイン=オリジナル制震装置「MGEO(エムジオ)」、「耐風仕様の屋根と軒樋」、「防犯ガラス」

支えるデザイン=「蓄熱床」、被災度判定計「GAINET(ガイネット)」、「太陽光発電システム」、「蓄電池」、「非常用コンセント」

計画段階で、建設予定地周辺で起こりうる自然災害リスクをまとめた「ハザードカルテ」や、建物プランから事前に耐震シミュレーションができる「M-Labo」を活用したリスクコミュニケーションを実施。その上で、同社が設定した「ひとつ上の安全基準」で設計し、各種アイテムの採用を決定し、災害発生時には365日・24時間体制や、台風や地震時に専門家が備える災害時待機体制で対応するのが一連の流れだ。つまり、計画段階から完成後のオーナーサポートまでを含めた包括的なものであることを特徴としているわけだ。

なお、同社ではリフォームについてもLCP提案を始めている。防災診断に基づき想定される被災危険度に応じ、「蓄電池」「LED照明」などの停電対策プラン、「飲料水貯水システム」「雨水タンク」などの断水対策プラン、「スマート防水ボード」「高土間」といった浸水対策プランなど、10の対策プランを用意。更に、建物全体ではなく、特定の一室の耐震性や断熱性を向上させ、災害時の自立避難所として利用する「レジリエンスルーム」の提案も行っている。これは、浸水リスクの低い地域では出入りがしやすい1階を、浸水リスクの高い地域では2階以上に建物の中で最も安全な一室を、災害時の自立避難所として利用できるようにリフォーム提案するものだ。