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模索続く賃貸住宅市場 ニューノーマルに活路 ~その2~

2021.7.7|業界の知識を深める

  • ニューノーマル
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コロナ禍が輪をかけた厳しさ

新型コロナウイルスの感染拡大とそれによる混乱(以下、コロナ禍)は、「ニューノーマル」という、人々にこれまでにない生活様式を強いた。この1年、住宅事業者はそれに対応する提案を生み出してきたが、それは賃貸住宅を含む資産活用の分野でも同様。むしろ後者に居住する人々こそ、コロナ禍の暮らしに対応する提案を求めていたとも言え、事業者たちは積極的な対応を行ってきた。一方で、賃貸住宅市場はそれ以前から厳しい環境にあり、事業者には慎重、かつ大胆な施策が求められたとも指摘できる。そこで、この記事ではこの1年の資産活用分野、中でも賃貸住宅分野における動きを振り返り、今後につながる方向性を見い出していきたい。(住生活ジャーナリスト 田中直輝)

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受注獲得のカギはウェブ営業

コロナ禍は、営業スタイルにも影響を与えている。外出自粛の影響から、これまで対面形式で行ってきた賃貸住宅経営を望む土地所有者などとの個別商談、彼らに対するセミナーの開催が難しい状況となったからだ。そこで、事業者はオンラインによる取り組みに注力している。例えば、パナソニックホームズがそうだ。昨年11月13日~15日に「パナソニックの土地活用全国一斉実例見学会」を開催。全49会場に3日間で約670組の顧客が参加し、土地活用への関心の高さが伺えたとしている。また、同月には、エイブル主催による「オンライン全国賃貸オーナーズフェスタ202」に参画。デジタルブース(出展社用ホームページ)を設け、ユーチューブやケーブルテレビを通じて全国に配信した。また、同12月には、弁護士の菊地幸夫氏によるウエブセミナーを開催した。

この5月にも土地活用セミナーを開催している。「親子で考える〝人生100年時代〟の相続対策 旧家屋、遊休地、老朽化アパートを一新! 土地活用&賃貸経営で『持て余し物件』収益化計画」をテーマとしたもの。幻冬舎ゴールドオンラインとの共催で、同社の総合サイトの読者である地主、不動産・企業オーナーや富裕層だけでなく、不動産投資に興味を持つ人たちの参加を想定したものだった。このようなオンライン形式のセミナーの内容の善し悪しが今後の受注獲得のカギとなりそうだ。

なお、同社では提案面でも積極的な取り組みを行っていた。例えば、コロナ禍で高まったペット人気を背景に、賃貸住宅「ユアメゾン」のペット共生スタイルの提案を強化。昨年10月から展開している共生に配慮した住戸空間「ねこの部屋」を備える設計プランや、IoT技術による設備の遠隔制御の導入に加え、グループ会社のパナソニックホームズ不動産の賃貸管理物件を対象に、「パナソニックホームズクラブ」サイトを通じた入居者向けサポートを充実させた。