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住宅各社の提案する〝新しい生活様式〟戸建て新商品 ~その4~

2021.6.23|業界の知識を深める

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感染防止とワークスペース対応に注力

新型コロナウイルス感染拡大を受けた初回の緊急事態宣言から、いまだ事態収束の目途が立たない中、1年3カ月が経過しようとしている。昨年以降、在宅勤務やオンライン授業などの常態化に伴い、自宅での過ごし方は大きく変化し、住宅の在り方が見直されてきた。住宅メーカー各社は、感染防止対策やリモートワーク対応を軸に、〝新しい生活様式〟に対応した商品の開発・供給に取り組み、抗ウイルス仕様の標準化や多様な状況に応じたワークスペースの拡充が進んだ。〝ウィズコロナ〟は、戸建住宅の新たなスタンダードが確立される契機ともなったようだ。(フリーライター 小山田湊)

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大空間で時間を共有 集中と繋がりを両立

住宅メーカー各社は近年、大開口を実現することで広い共有空間を確保し、家族の様子が互いに目に入り、空間や時間を共有しながら、それぞれがやりたいことをできるといった〝緩やかなつながり〟を保ちやすい空間設計に注力してきた。そうした基本路線は、各社のニューノーマル対応商品などにも反映されているといえるだろう。

積水ハウスは昨年8月、大空間リビング「ファミリー スイート」に、アフターコロナに対応したライフスタイル提案を盛り込んだ新コンセプトモデルを打ち出した。鉄骨2階建ての場合、1階で最大スパン7㍍、2階で最大10㍍も可能な大空間を生かし、デスクやテーブルの後ろに家具を置くことで集中するためのコーナーを創出するといった「在宅ワーク」も、提案のひとつに盛り込んだ。

三井ホームは、今年4月に発売した新商品「ラセーヌ」で独立型の「ワークスタジオ」を設けた一方、ダイニング兼用のワークテーブルでは、家族の団らんやゲストを招く食事会、壁かけモニターを利用したオンライン学習など、多目的に利用できる天井高約3㍍・約40畳の大空間を設計。キッチン・ダイニング・リビング・ワークスペースがシームレスにつながる仕様とすることで、多様なワークスペースを確保している。


スキップフロアで 空間の有効活用も

昨年は、下半期に平屋建ての戸建て住宅商品の拡充が進んだ。都市部より郊外で供給しやすい平屋建ては近年、一次取得層などファミリー層にも人気が出始めていたが、在宅勤務の常態化も供給拡大をけん引した。一方で、在宅勤務やオンライン学習などの常態化によって、〝もう一部屋欲しい〟といったファミリー層からの声も増えたという。今年度は、一見相いれないどちらの要望も実現できる平屋建て新商品の発売が相次いだ。

今年4月、積水化学工業住宅カンパニーは、共働き・子育て家族向けの鉄骨系商品「パルフェ─bjスタイル」を拡充することで、平屋建てのニューノーマル対応を強化した。新商品では、約3~4畳分の小屋裏空間を1・5階に確保する「スキップアップピット」を採用することで、空間を縦に有効利用し、在宅ワーク空間や大型収納を実現した。

同月にパナソニックホームズが発売した「カサート 平屋 スキップスタイル」も、屋根裏にロフトを設けた商品だ。深い軒下空間の設計や床高に変化を付けるといった工夫を組み合わせることで、家族が同じ空間の中で互いの気配を感じつつ、仕事などにそれぞれ没頭できる空間の創出を図っている。

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パナソニックホームズが今年4月に発売した「カサート 平屋 スキップスタイル」の内観イメージ


ミサワホームも同月、最上位ブランド「センチュリー」に、大収納空間「蔵」の新タイプ「フリーリビングユニット」を採用するなど、平屋建てに限らず、スキップフロアを生かし、空間の有効利用を図った商品の拡充が進んだ。

『住宅新報』2021年6月8日号「新しい生活様式特集」より)

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